言語学について知りたいとき、教科書の前に読むと良い本

言語学について興味を持った人が言語学について知るための手段として教科書があります。例えば言語学 第2版など。「言語学 入門」等で調べればたくさん出てきます。教科書は浅く広く、網羅的に学問対象を扱っていますが、堅めでとっつきにくいことが多いです。

そこで、言語学に知りたいと思った人が入門書の前に読んでみると良い柔らかめな言語学関係書籍を紹介します。条件は以下の通りです。

・読み物として面白い

言語学の知識がなくても読める

言語学/言語学のある分野についてある程度広く知ることができるが、必ずしも言語学やその分野について網羅的に知識を得ることができるわけではない

こういった書籍には内容が良くないものも少なからずありますが、下に挙げる書籍は恐らく大丈夫なはずです。

自分の手元にない本も多いので本来なら「言語学の知識がなくても読める」ことを再確認してから記事を書きたかったのですが、このご時世なので書店も図書館もやっておらず…難しかったらすみません

 

・広瀬友紀(2017)『ちいさい言語学者の冒険-子どもに学ぶことばの秘密』岩波書店

子どもが言語を獲得していく中での「言い間違い」を取り上げ、何故それが起こるのかを言語学の考え方から説明しています。音の話から意味の話まで幅広く扱っているため、特におすすめの本です。

 

・寺澤盾(2016)『英単語の世界 - 多義語と意味変化から見る』中央公論新社

英語の意味に関するトピックが一般向けに分かりやすく書かれています。(最低限の)英語さえわかれば読めるので、受験から言語学への繋ぎとしてとても良いはずです。

 

・川原繁人(2015)『音とことばのふしぎな世界-メイド声から英語の達人まで岩波書店

音は専門外なので詳しくは覚えてないのですが、音に関する面白いトピックを取り上げながらわかりやすく説明している本(のはず)です。

 

・マーク・C・ベイカー(2003)『言語のレシピ―多様性にひそむ普遍性をもとめて』岩波書店(文庫版は2010)

前述3冊よりも重めの内容だったのは覚えているものの、もしかしたら多少は知識がないとむずかしいかもしれません…。言語の多様性と共通性を扱っており、多言語やっているけど言語学はしらないよという人にはおすすめです。また、原題は"The Atoms of Language"なのですが、その名の通り原子に例えて言語の説明をしているので、その方面に強い人にもおすすめです。

 

・川添愛(2017)『働きたくないイタチと言葉がわかるロボット 人工知能から考える「人と言葉」』朝日出版社 

言語学だけでなく、言語学人工知能(AI)・自然言語処理をつなぐ橋渡しのような書籍です。言語学だけでなく、AI等にも興味がある人に特におすすめです。ストーリー性のある物語仕立てで初学者でも読みやすくわかりやすい本になっています。