はにわと土偶、俑について比較しながら調べてみた

皆さんは、はにわはや土偶は好きですか?可愛さや特徴的な見た目に注目していて、それ自体についてあまり知らないなあということに気が付きました。はにわ・土偶を扱う展覧会がちょうど実施されているので、気になって調べて学んだことをまとめておこうと思います。

また、似たような存在として、中国には俑というものがあります。兵馬俑の俑ですね。こちらについても一緒に調べることでそれぞれの差を際立たせていきます。

はにわ・土偶・俑って何?

はじめに、それぞれが何であるかを確認します。

はにわは古墳の周りに並べられた素焼きの土器のことを指すとのことです。

一方で土偶は、土で作られた人型の人形のことで、主に祭祀のためのものとのことです。

中国の俑については、あまり「俑」としての説明がなかった(Wikipediaの記事も「兵馬俑」しかない…?)のでコトバンクの記載を参考にします。まとめると、墓に埋葬する人形を指すようです。

この内容をベースに、それぞれの気になった違いについてまとめていきます。

違いに注目

モチーフの種類について

これはもう定義というか分類の問題に過ぎない気もしますが、はにわについては人以外の生き物や道具をかたどったものもはにわであるのに対して、土偶は人の形をかたどったもののみを指すようです。動物や道具は土偶ではないようです。一方で俑は人以外の生き物は俑に含まれるのに対して、道具は含まれないようです。

用途について

はにわと俑は墓に関わるのに対して、土偶は祭祀用で葬儀に限らないとのことで一番広い部分でははにわ・俑と土偶の間で線が引けそうです。はにわは古墳の周りに並べられるのに対して、俑は副葬品として埋葬するということで、使い方に差があります。

土器か否か

土偶は基本的には中空ではないようです(中には中空のものもあるようです)。一方、はにわは中空です。はにわを土器でないと記載している文章もありましたが、「土器」のうち器としての要素を重視するとはにわは土器でない扱いに、中空であることに注目すると土器と呼ばれている気がします。

一方で、俑は木や金属といった様々な材料から作られているとのことで、土製に限られない点ではにわ・土偶とは異なります。というか土偶が土以外で作られる場合、例えば石でできている場合は岩偶と呼ばれるとのことで、こちらも定義問題ですね。

「素焼き」と色について

はにわも土偶も素焼きという、釉薬をかけずに焼いて作る方法で作られます。

中国の俑のうち、秦の始皇帝陵の兵馬俑は素焼きのようですが、一方でのちの時代の唐三彩俑においては釉薬が用いられています。以下の展覧会のウェブサイトで、釉薬を利用しているため彩色が残っている俑の画像が見られます。

www.matsuoka-museum.jp

一方、はにわは釉薬は使っていないものの、彩色はされていたようです。はにわの画像をよく見るとうっすらと色が残っている様子がわかります。

こちらの画像の1枚に、彩色復元したはにわをみることができます。随分とカラフルで驚きました。

haniwa820.exhibit.jp

じゃあ土偶はどうなんだろう?と思って調べてみると、土偶も当時は赤く塗られていたものもあるようです。

 

 

以上、好き勝手気になる点について調べてみました。間違っていることが書いてあったらごめんなさい。

12/8まで東京国立博物館で「はにわ」展が、12/22まで東京国立近代美術館で「ハニワと土偶の近代」展が開催されているのでぜひ行ってみてください。

haniwa820.exhibit.jp

haniwadogu-kindai.jp